製造業の導入事例
「ベテランの頭の中」を AI に移した、町工場の品質改善
この記事は、Claude(クロード)を御社の業務に組み込む導入支援サービス『ClaudeNow』を金属加工に導入させていただいた、工場長 H 様へのインタビューです。
創業 50 年、自動車部品の金属加工を手がける町工場。日報や不具合発生時の品質報告書はベテラン職人 2 人の手書きに頼っており、新人がいつまで経っても育たないことが長年の悩みだった。ClaudeNow が現場ヒアリングからシステム構築までを担当して 6 ヶ月、工場長 H 様に何が変わったのかを伺った。
お話を聞いた方
金属加工 工場長 H 様
従業員 18 名 / 金属加工 / 大阪府・製造業
BEFORE導入前の課題
品質報告書 1 件 90 分。書けるのがベテラン 2 人だけで、新人が独力で書けるまで 3 年がかり。
AFTER導入後の主な成果
報告書 1 件 90 分 → 9〜10 分。新人が独力で書けるまで 3 年 → 6 ヶ月に短縮。
ClaudeNow が過去 3 年分の品質報告書とベテランへのインタビュー音声を AI に学習させ、現場の音声入力から AI が報告書を下書きする仕組みを構築。

01以前は、どんな状態でしたか?
ClaudeNow 編集部
このたびは ClaudeNow をご利用いただきありがとうございました。
まずは今回ご依頼いただいた背景から伺えればと思います。
特に品質報告書まわりでお困りだったと伺っていますが、導入前の現場では何が起きていたのか、改めて聞かせていただけますか。
H 工場長
うちは精密部品をやっているので、不具合が出たときの品質報告書がとにかく重要なんです。お客さんに提出するもので、写真・寸法・原因分析・是正処置までをきちんと書く必要がある。これが書けるのがベテラン 2 人だけで、その 2 人が現場を離れている時間が長くなっていました。1 件あたり平均 90 分、月に 6〜8 件出すので、合計で 10 時間以上 2 人を拘束していたことになります。
ClaudeNow 編集部
ベテラン 2 名に月 10 時間以上の報告書作成が乗っていた、というのは現場が回らなくなる一歩手前の状況ですね。
若手の方々が独力で書き上げるところまでなかなか行かない、というお話もありましたが、その壁はどのあたりにあったとお感じですか。
H 工場長
『何をどう書けばいいか分からない』が本音だと思います。原因の特定はできても、お客さんに納得してもらえる文章にまとめる、という壁で詰まる。書き直しが何度も入って、夜遅くまで残るパターンが多かった。お客さんからの差し戻しも月 4〜5 件あって、そのたびにベテランが入って書き直す、という消耗戦でした。新人が育たないので採用も難しい、という悪循環です。
02ClaudeNow を選んだ決め手は?
ClaudeNow 編集部
新人が育たない、採用も難しいという悪循環は、現場の責任者として一番苦しい状況ですよね。状況がよく分かりました。
町工場で AI というテーマには最初は抵抗もあったかと思いますが、その中で ClaudeNow を選んでくださった決め手は何だったのでしょうか。
H 工場長
正直、最初は『パソコンのできる若い子向けの話だろう』と思っていました。商談に来た AI ベンダーが何社かあったんですが、どこも資料を見せて『これでこういうことができます』で終わる。そういう会社には何も期待していませんでした。ClaudeNow さんは違って、初回の打ち合わせに現場まで来てくれて、油まみれの工場を 1 時間歩いて回ってくれた。『これはスマホの音声入力で十分できますね』と言われて、考えが変わりました。
ClaudeNow 編集部
油まみれの工場を一緒に歩いてからお話を始めるのは、ClaudeNow としても大切にしている工程です。そのように受け止めていただけたのは励みになります。
他社さんの提案と比べて、現場感の有無というのはやはり大きく違いましたか。
H 工場長
ええ。机上で『AI が書きます』と言われるのと、油まみれの場所で『この作業はスマホで写真 1 枚で済ませましょう』と言われるのは、説得力が違います。ClaudeNow さんはこちらの業界の事情を分かった上で『ベテランの手順を AI に移植する』という具体的な絵を描いてくれた。そこが他社と決定的に違いました。
03ClaudeNow さんは、どんな進め方をしてくれたんですか?
ClaudeNow 編集部
「ベテランの手順を AI に移植する」という絵を一緒に描けたのは、私たちにとっても会話が噛み合った瞬間でした。
実際のプロジェクトでは、AI に学習させる素材として ClaudeNow が御社の何を吸い上げ、どう設計していったのか。現場目線でどう映っていたかも含めてお聞かせいただけますか。
H 工場長
ClaudeNow さんが、過去 3 年分の品質報告書を全部読み込んで AI に学習させてくれました。これだけだと『過去のフォーマットを真似する AI』にしかならないんですが、ClaudeNow さんがそこからもう一段踏み込んで、ベテラン 2 人に 1 日ずつ密着インタビューしてくれたんです。『この治具のガタつき、どうやって判断する?』『この寸法ズレ、原因の切り分け方は?』を全部音声で記録して、AI に学習させてくれた。これがあったから、新人が音声で吹き込んでもベテラン口調の報告書が出てくる。
ClaudeNow 編集部
ベテランの方への密着インタビューは、暗黙知を AI 側に移すうえで一番こだわって組み込んだ工程だったので、評価いただけて何よりです。
導入期間中、御社側で対応いただく必要があった作業としてはどの程度のボリュームでしたか。
H 工場長
ほぼありません。当社が用意したのは、過去 3 年分の報告書ファイルを ClaudeNow さんに渡したことと、ベテラン 2 人にインタビューを受けてもらったこと、それだけです。AI のチューニングや当社専用の言い回し設定は全部 ClaudeNow さんがやってくれて、本番投入時には『新人はこのスマホアプリを開いて、音声で吹き込むだけ』という最終形まで持ってきてくれました。私が AI の仕組みを理解する必要は最後までゼロでした。
ClaudeNow 編集部
御社のご負担を抑えたまま本番まで持っていけたというのは、私たちとしても狙い通りに進められたと感じます。
出来上がった AI の文章について、ベテランの方々から見たときの再現度はいかがでしたか。
H 工場長
ベテランが読んでも『これ、自分が書いたのかと思った』と。最後の確認だけベテランが入って、お客さん向けに整える、という流れに変わりました。立ち上げ後も毎月 1 回 ClaudeNow さんが運用レビューに来てくれて、『この差し戻し、AI のここを直せば防げる』みたいな改善を継続的にやってくれています。
04いま、どう変わりましたか?
ClaudeNow 編集部
立ち上げ後の運用レビューまで含めて伴走できているのは、ClaudeNow として続けたい関わり方ですので、続いていて何よりです。
導入から 6 ヶ月、現場で起きている変化について、報告書の作成時間や品質面の数字も含めて教えていただけますか。
H 工場長
1 件あたり平均 90 分だったのが、9〜10 分です。新人が音声で吹き込んで AI が下書き、ベテランが 5 分で確認して送付、という流れ。報告書の質はむしろ上がっていて、お客さんからの差し戻しは月 4〜5 件 → 月 0〜1 件に。
ClaudeNow 編集部
差し戻しがここまで減ったうえに、品質まで底上げできたのは大きな変化ですね。
事務作業の効率化だけでなく、新人の方々の育成面にも何か変化は出てきましたか。
H 工場長
これは予想外の効果でした。AI が出す下書きを見ながら『ベテランはこう書くんだ』と新人が学べる。半年で、若手 2 人が一人で報告書を完成させられるようになりました。今までなら 3 年かかっていた育成が半年です。採用も少し前向きに考えられるようになりました。
ClaudeNow 編集部
3 年かかっていた育成が半年に短縮できたのは、現場の負荷だけでなく採用・経営にまで響く成果ですね。
最後に、ClaudeNow と一緒に次に取り組まれたいテーマがあれば、ぜひお聞かせいただけますか。
H 工場長
工程内検査の記録を AI 化したいと ClaudeNow さんに相談しています。タブレットで写真を撮るだけで検査記録が残る、という仕組みを今、設計してもらっているところ。ClaudeNow さんは一度入ってくれると、現場で『次はこれが楽になりそう』というネタが向こうから出てくる。これは町工場には本当にありがたい関係です。
導入の成果
ClaudeNow 導入前後の比較
ベテランの暗黙知を AI に移すことで、新人育成と品質改善が同時に進む。
主な連携ツール
Google DriveExcelLINE WORKS