社内DX事例5選【2026年版】京セラ・竹中工務店・ライフの実例で年間40万時間削減した推進人材採用戦略
京セラ×Platio棚卸アプリ・竹中工務店StreamBIM・ライフAI発注(年間40万時間削減)・花王月次決算3.5日短縮・横浜銀行はまぎん365など、社内DX事例5選を実在企業の数字と一次ソースつきで紹介。DX推進人材の採用基準と社内DX求人の活用法まで2026年最新版で整理しました。

社内のDXを進めたいが、「どの企業がどう成功しているのか」「自社で誰が主導すべきか」が見えにくい——そんな方に向け、実在企業の社内DX事例5選をまとめました。京セラの新入社員提案による棚卸アプリから、ライフコーポレーションの全店AI発注(年間40万時間削減)まで、数字と一次ソースつきで解説します。
本記事では、各社の事例から「推進人材をどう確保したか」「現場をどう巻き込んだか」を抽出し、自社で再現するための採用・育成・社内DX 求人活用のポイントまで一気通貫で整理しています。明日から実践できる社内DX化の具体ステップが得られます。
社内DX事例から見える「推進人材」の重要性
社内DX化を進める上で、多くの企業が直面する最初の壁が「誰が主導するのか」という問題です。経済産業省「DXレポート」やIPA「DX動向2025」でも、技術投資以上にデジタル人材の確保が課題として繰り返し指摘されています。
実在企業の事例を見ると、外部から高度なITエンジニアを採用するパターンと、自社の業務フローを熟知している人材をリスキリングして抜擢するパターンの両方が成功しています。共通しているのは、技術スキルよりも「自部門の業務課題を言語化できる人材」が中核に置かれている点です。
業務効率化や新システムの導入は、現場の納得感がなければ定着しません。本記事の事例でも、推進担当者が「現場の痛み」を出発点にした施策ほど成果が出ています。詳しい人材配置の考え方は【2026年版】DX推進計画の作り方|DX推進スキル標準ver.1.2で人材不足を解決する7ステップも参考にしてください。
事例1:【製造業】京セラ × Platio|新入社員提案で棚卸アプリを1日で構築

課題:紙の棚卸リストで巨大倉庫を10分以上往復
京セラ株式会社の物流倉庫では、毎日の棚卸を紙のリストで運用しており、巨大倉庫と事務所の往復に1回10分以上かかっていました。目視チェックでの記入ミスも発生し、在庫精度の向上が課題でした。
採用・育成のアプローチ:新入社員の「現場の声」を起点にする
特徴的なのは、ベテランIT担当者ではなく新入社員の提案から始まった点です。「棚卸用のアプリを作れないか」という声を受け、ノーコードツール「Platio」を活用して1日かからずに棚卸アプリを内製しました。
成功のポイントと効果
- 棚卸データのデジタル化により、事務所への往復が不要に
- 目視チェックのミスを排除し、在庫照合を自動化
- 月額コストはノーコードツール費用のみ(数万円規模)
- 使い勝手の良さから全国の拠点へ展開
ITスキルではなく「現場の課題を言語化する力」を評価したことで、新人でも全社展開可能なアプリを生み出しました。出典:Platio導入事例 京セラ株式会社様 / 日経BP「京セラはたった1日で棚卸し業務をアプリ化」。
事例2:【建設業】竹中工務店「StreamBIM」|50現場以上で図面共有を刷新

課題:現場ごとの図面共有遅延と手戻り
建設業界では、最新の施工図面が現場に届くまでにタイムラグがあり、古い図面で作業を進めて手戻りが発生するケースが恒常的に存在していました。設計・施工・維持管理の各段階で関係者が増えるほど、書類管理は複雑化します。
採用・育成のアプローチ:BIM プラットフォーム導入と現場との橋渡し人材
竹中工務店はBIMクラウドプラットフォーム「StreamBIM」を全社展開し、PC・スマートフォン・タブレットからBIMモデルと2D図面を統合的に閲覧できる環境を整備しました。社内DX 求人で外部からBIM運用の専門家を招き入れつつ、現場経験豊富な社員が協力会社への説明・導入支援を担うハイブリッド体制で展開しました。
成功のポイントと効果
- 50以上の建設現場でStreamBIMを採用
- 設計・施工・製作・維持管理までを一元管理
- 同様の取り組みで清水建設は「Shimz One BIM」と「BIM 360 Docs」連携により現場巡回往復4時間 → 30分に短縮
外部の技術力と内部の業務理解を融合させることが、現場の反発を抑えながら大規模刷新を実現する鍵でした。出典:スーパーゼネコンのDX事例まとめ - 建設DX。
事例3:【小売業】ライフコーポレーション|AI需要予測で年間40万時間の発注を半減

課題:店長の経験と勘に頼る発注で、欠品率と廃棄率がばらつく
スーパーマーケットチェーンのライフコーポレーションでは、各店舗の店長による発注業務に依存していたため、ベテラン店舗と新人店舗で欠品率・廃棄率に大きなばらつきが発生していました。全店合計で年間40万時間を要する負担の大きい業務でした。
採用・育成のアプローチ:日本ユニシスとの共同開発と店舗 IT リテラシーへの伴走
同社は日本ユニシス(現BIPROGY)と共同でAI需要予測自動発注システム「AI-Order Foresight」を開発し、2021年2月までに全278店舗で稼働を完了しました。販売実績・気象情報を元にAIが日別の発注数を算出し、賞味期限の短い日配品にも対応しています。
成功のポイントと効果
- 発注業務の作業時間を5割以上削減(年間40万時間が大幅に短縮)
- 生鮮部門で廃棄率10ポイント改善、発注時間3〜4割減
- 別の導入事例では廃棄ロス30〜80%削減、見切り・欠品ロスも約20%改善
【2026年版】生成AI×RPAとは?違いと組み合わせ事例6選で業務自動化を突破で解説しているように、AIによる予測と自動発注の組み合わせは、ルーチン業務削減の効果が大きい代表例です。出典:ライフ全278店舗AI需要予測自動発注システム導入 - IT Leaders / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン。
事例4:【サービス業】ZOZO・花王・味の素|経理AIで月次決算3.5日短縮

課題:請求書処理・問い合わせ対応の肥大化
成長中の事業会社では、経理・総務といったバックオフィスの請求書処理や問い合わせ対応が急増し、月末月初の残業が常態化していました。基幹システムの大規模刷新は時間も予算もかかるため、踏み切れない企業も多くあります。
採用・育成のアプローチ:小さな成功体験から始める「経理AIエージェント」
ZOZO・花王・味の素は、いずれもルーチン業務の自動化からスモールスタートで成果を上げました。AI-OCRで請求書をデータ化し、過去の取引履歴から勘定科目を推測、承認依頼から会計ソフトへの仕訳登録までを自動化する「経理AIエージェント」を導入しています。
成功のポイントと効果
- 花王:月次決算を3.5日短縮
- 味の素:年間55,000時間の作業を削減
- ZOZO:請求書処理を含むバックオフィス業務の大幅効率化
「新しいシステムは面倒」という現場の抵抗感を、まずは社内のよくある質問への自動回答チャットボット等の小規模施策で和らげていく順序が重要です。詳しい導入手順は経理AI導入事例8ステップ|ZOZO・花王・味の素に学ぶバックオフィス自動化【2026年版】で確認できます。
事例5:【金融業】横浜銀行・山口フィナンシャルグループ|情シス再定義と評価制度刷新
課題:守りのITに忙殺され、攻めのDXが進まない
地方銀行の情報システム部門は、既存システムの保守運用(守りのIT)に人員を取られ、各部門の業務効率化(攻めのIT)に手が回らない構造的課題を抱えていました。RPAの導入と相性の良い定型業務が大量にあるにもかかわらず、推進体制が整わない状態が長く続いていました。
採用・育成のアプローチ:情シスの役割再定義と外部子会社による加速
- 横浜銀行:スマホアプリ「はまぎん365」を2023年3月に刷新し、ビッグデータ活用で利用者の年齢・収入・世帯状況・預金データから最適な金融商品を提案する機能を実装。法人向けポータル「ビジネスコネクト」やキャッシュレス決済「はまPay」もデジタル戦略の柱に位置づけました。
- 山口フィナンシャルグループ:YMFGグループ全体でDX推進体制を整備し、2021年2月には全国の地銀で初となる**福利厚生代行子会社「イネサス」**を設立。情シスの役割を「自行内のシステム保守」から「グループの新規事業創出を支えるデジタル基盤」へと再定義しました。
【2026年版】DX組織変革とは?AIが浸透しない3大原因と現場に定着させる5ステップ+フレームワークでも整理されている通り、評価制度を「全社のデジタル化推進度」で加点する仕組みを取り入れたことで、情シス担当者のモチベーションが大きく向上しました。出典:金融DX最前線 地銀DXの最新事情 - The Finance。
成功のポイントと効果
- 顧客接点のデジタル化で店舗依存度を低減
- グループ会社化により、銀行員の知見を地域課題解決に活用
- RPA・AI 活用で事務作業の自動化が継続的に進行
推進人材の採用・育成と「社内DX 求人」の活用ポイント
5つの事例から見えてくる、社内DX事例に共通する推進人材戦略は以下の通りです。
- ITスキルより「課題解決能力」を重視する:京セラの新入社員のように、現場の痛みを言語化できる人材を発掘・育成する
- ハイブリッド体制を組む:竹中工務店のように、社内DX 求人で外部専門家を招き入れつつ、現場経験豊富な社員と役割分担する
- 段階的なリスキリング:いきなり高度システムを入れず、ライフのように小さなツールから IT リテラシーを底上げする
- 小さな成功体験:花王・味の素のように、現場の負担を直接軽減する施策から開始し、抵抗感を和らげる
- 評価制度の刷新:横浜銀行・山口FGのように、DX推進活動を加点評価することでモチベーションを維持する
社内DX 求人を出す際は、「全社のDXを牽引するCDO/CIO候補」「特定領域のBIM・AIエンジニア」「現場と経営をつなぐビジネストランスレーター」のように役割を明確に定義することが重要です。役割が曖昧だと、優秀な人材を採用しても活躍機会を提供できず離職につながります。
まとめ|社内DX事例から学ぶ自社実装の3ステップ
社内DX化を成功に導くには、ツール導入以前に人材戦略と運用体制の構築が不可欠です。本記事の5事例から見えてくる共通法則をまとめます。
- ITスキルだけでなく**「現場課題の言語化能力」**を持つ社内人材を発掘・育成する
- 必要に応じて社内DX 求人を出し、外部専門家と社内人材のハイブリッド体制を組む
- 現場のITリテラシーに合わせ、段階的な教育と伴走型サポートを行う
- 小さな成功体験から始めて現場の反発を防ぎ、ツール定着を図る
- DX推進活動を評価制度に組み込み、モチベーションを維持する
これらを戦略的に組み合わせることで、京セラ・竹中工務店・ライフ・花王・横浜銀行のような持続可能で実効性の高いDX推進を、自社でも段階的に実現できます。自社の現状に合った人材確保と運用体制の整備から、着実に第一歩を踏み出してください。




